さて今回は「GCBT987」の実機レビュー。
まずファーストインプレッションは、
「クレドールにしては大きいぞ」
だ。
上の画像を見て貰えばわかるがクレドールにしてはボリュームがあるのがわかっていただけるだろう(私は手首周り約18cm)
そもそもガランテやカンパノラと比べるのがおかしいのだがガランテと比べたら二回りは小さい。前の記事にてミナセの5,7WINDOWあたりと同じくらいではないかと書いていたがスリムになった7WINDOWより更に少し小さいくらいか。小さく感じるのはバンドの差かも知れない。ミナセは確かバンド幅26mmに対しクレドールは22mmだ。4mmの差は大きい。
しかし今まで購入してきたクレドールよりは明らかに大きい。クレドールの中では異色なのは間違いない。
どうしてもクレドールの場合「大きさ」から入ってしまう自分がいる。2度あることは3度ある、ならぬ3度あることは4度ある(いや今まで4度失敗していたから5度目か)、があるからだ。しかし今回はギリギリセーフのような気がする。気がすると書いたのはコマを注文してまだ届いていないので実際に長時間着けていないのだ。画像見てもらえればわかるが今現在だと腕に食い込んでしまうくらいキツい。バンドに余裕が出来ればまた見た目の感覚も少し変わるのではないかと感じる。
そもそもクレドールにガランテレベルの大きさを求めるのが土台間違っている。ブランドコンセプトが全く違うからだ。
さて私自身の大きさ問題はこのくらいにしてまず状態だ。正直「美品レベル」と言っても過言ではない。大きなキズは見当たらず、細かなキズは少し散見されるが目を凝らして見つけようとしなければ気になることもない。30cmも離れてしまえば新品と言っても差し支えないレベルだ。
やはり富裕層の方のコレクションだったという憶測は間違いないだろう。着けていれば1番キズが入るバックル部分にすらほとんどキズがないのだ。おそらくメタルバンドに交換してからほとんど着けてないと思われる。
「いやぁ素晴らしい」
これほどの美品、そして純正メタルバンドもほとんど新品である(残りコマもあれば最高だったがそこまで求めるのは欲張りというものだろう。)
さて私のGCBT987の状態はこれくらいにして
「GCBT987」
についてのレビューを。
当時の文献が残っていたので紹介しよう。
https://www.itmedia.co.jp/d-style/spv/0702/21/news063.html
これでみると2007年2月から発売開始されていたようである。
cal,4S76を搭載した多針モデル(8針)
材質はブライトチタン(ケース、バンド)
こちらの文献を見るまで純チタンなのかブライトチタンなのかわからなかったのでブライトチタンと判明出来たのはよかった。
ブライトチタンについてはこちらのブログで詳しく説明されている🔽
https://used-seiko.jp/blog/560
ちなみにグランドセイコーのチタンモデルは現行モデルは全てブライトチタンかと思われる。
みんな大好きSBGA211「雪白」も当然ブライトチタンである。そして最近ブライトチタンモデルは軒並み値上げしている。
さて私はというと特にチタンに興味はない。というかどっちかというとアンチチタン派だった。
私自身アトピー持ちではあるがステンレスに反応したことはないということと昔型人間なので重い方がずっしりとして高級感を感じるからだ。
しかしながらガランテの薔薇シリーズは約250gで流石に堪えるようになってきたことも事実である。だからこれを機にブライトチタンを堪能してみようと思う。
次に文字盤だが、
シルバー文字盤
12,3,6,9のバーインデックスもシルバー、
しかし1,2,4,5,7,8,10,11は実はブラックだ。
更に言えば針に関しても24時針はレッド(月のマークはゴールド)
その他は全てブラックなのだ。
光沢のあるブラックなだけに画像だと光の加減でシルバーのインデックスが黒っぽく見えているのだと勘違いしやすい。
明るいシルバー文字盤は黒系に比べて爽やかかつ大人な印象だ。私もそれなりに歳を重ねてきたせいかブラック、ブルーよりホワイト、シルバーの方が好みに変わってきた。
あと何度も記事にしているがホワイト系の文字盤は革バンドの色の選択肢が広いのだ。
もしGCBT989のブラック文字盤だと合う革バンドは黒、茶系のバンドしかパッと思いつかない。遊び甲斐が少ない。それが今回もシルバー文字盤のGCBT987を選んだ大きな理由の一つだ。
そして最後に純正メタルバンドについてだ。
これは本来GCBT987には付いていないものだが兎に角素晴らしい。
私はクレドールはフェニックス、パシフィーク×2、シグノと今まで4本(全てメタルバンド)と見てきたがその中でもピカイチの質感である。
画像越しでもこの質感がわかっていただけると思う。
ヘアライン加工はきめ細かく滑らかだ。しかし恐ろしいほど各箇所のエッジが立っている。なのでシャープさと滑らかさという相反する要素が見事に融合しているのだ。これぞバンドに定評があるクレドールの真骨頂であろう。まだコマが届いていないので装着感はわからないがはっきり言って良いに決まっている。
そういえばミナセのケース、メタルバンドもザラツ研磨とMORE構造を謳っていてたしかに綺麗ではあったが、なんというか「洗練度」が違う。
あとミナセのレビュー記事で書いたか忘れたが5,7WINDOWSはコマの可動域が大きく、コマとコマがぶつかり自らのコマで鏡面のコマを傷付けてしまうのだ。これは所有している方は確認して貰えばわかると思う。私も最初こんな場所に何故線傷が入るのだろう、と不思議に思っていたがコマ同士がぶつかって傷つけていたのだ。
セイコー社には歴史がある。歴史に裏付けされた経験、知識、技術がある。だからそんなバンド構造のものを造らないだろう。
ブライトチタンゆえ、少し鉛色のようなステンレスとは違った風合いにはなるがこの質感には正直驚かされた。今回は今まで購入してきたクレドールより状態がよかったからそう見えているのかも知れないがそれを差し引いても綺麗で優雅だ。
画像越しでも伝わるのだから実際はもっと素晴らしいと受け取ってもらっていい。
「クレドールは伊達じゃない!」
ということだろう。
さて、vol,2にて購入したコマを付けてのファイナルインプレッションをお届けしようと思う。
それでは。